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関心を持てる事柄について

柿喰う客『へんてこレストラン』@北とぴあ 観劇

東京都北区にある北とぴあにて柿喰う客の『へんてこレストラン』を観劇。6/28(土)17:00~の回。

内容は宮沢賢治の『注文の多い料理店』を中屋敷法仁氏が舞台用にアレンジしたもの。
また本作は「こどもと観る演劇プロジェクト2014」の一つであり、通常の演劇では入場を規制される未就学児童も観劇可能で、上演時間も45分と短くなっている。
ストーリーは知られている、かつこどもの観劇を前提とする中でどんな演出がなされるのか、期待して観た。

柿喰う客の作品は年始頃に『世迷言』を観たのみ。
それがとにかく衝撃的で、観劇でいちばん感動した体験はあの時だったかも。


で、今回。
こども向けだと若干表現も甘くなるかな~と思ったが、全くそんなことは無かった。

言葉や動きのスタイリッシュさは以前に観た時の印象と変わらなかったし、題材のストーリーよりもどんな表現が次に出てくるのだろうという期待続きであっという間に終わってしまった。最前の桟敷に座っているこども達(3~5歳ぐらい?)も終始見入っていて、楽しんでいるように見えた。


中屋敷法仁氏のアフタートーク(毎回やっているらしい)でも面白い話が聞けた。

「リズムも目配せもキューも無い中で、複数人の役者が同時に発生をしたり動いたりするのは、いったいどうやっているのですか?」

柿喰う客がおそらくいつもやっている表現の一つに関する質問。これに対し、

「以前はリズムに合わせるとかブレスするタイミングで合わせてたりを考えていたけど、いつの間にか長く一緒にやってきた役者どうしで、自然にできるようになっていた。どうせできるならこっちの方が表現としてインパクトも大きいし、じゃあ採用しよう、と。どうしてできているのかもよかわかってないから他の人に教えたりできない(方法論化できていない)けれども」 (うろ覚え)

とのこと。
何も無いところで合わせる、っていうのはバンド演奏でもまれにあるが、やっぱり難しい。というか狙ってやってる様な演奏は殆ど知らない。
でもその分インパクトがある。これを完全に計算して組み込んでいるからやっぱり"凄み"がある。

他にも能や狂言から表現を取り入れているという話や、"見える言葉、聞こえる身体"(うろ覚え)という柿喰う客のモチーフのようなワードも聞けた。
後者は成る程、柿喰う客にぴったりの言葉だな、と思った。

今後の公演も見逃さないようにしたい。