OSSに貢献して¥6,000ぐらい貰えたのでその話をする。OSSがお金になった話 · Dとはちょっと違う。
contribution に対する tip として 0.00357757 BTC (≒ ¥6,000) 貰った
— 広島の粗大ゴミ (@ohbarye) 2018年1月14日
tip4commit
Tip4Commit — Kontribusi ke Open Source というサイトがある。 このサイトに登録しているOSSプロジェクトそれぞれのビットコインアドレスに応援という名目で寄付 (donation) ができる。
これだけだといわゆる"投げ銭"サイトなのだが、面白いことに、OSSへの contributor に対して蓄積されたコインの一部が報酬として支払われるのだ。
支払われる額は積まれた投げ銭残高のN%。この割合はOSSの管理者が決定できる。例えば bitcoin-ruby*1 を見てみる。
現在の残高は 0.10365790 Ƀ
、 支払った総額は 0.32204210 Ƀ
、次回に支払われる額は 0.00103658 Ƀ
とのことだ。
同サイトは4,5年前からあるらしく、2013年頃に数十円の気持ちで投げられたコインたちが今になっては何倍もの価値になり、報酬として支払われると思うと夢がある。しかし少し見渡してもそこまで高額の報酬を設定しているプロジェクトはなさそうなのでお小遣い稼ぎぐらいの気持ちでやるのがよさそう。
実際に報酬を得た話
まずこのサイトに sign up し、自分の bitcoin アドレスを登録した。
tip4commit 本体もこのサイトに登録していて報酬もまずまずだったのでバグか何かないかサイトを巡回していたが特にめぼしい物は見つからなかった。なので開発上の課題や直近の修正からチャンスを得るべく GitHub ページ https://github.com/tip4commit/tip4commit/pulls を見てみると、最近になって Korean, Spanish, Indonesian ロケール対応をしており localization を歓迎している雰囲気があった。
余談だが、localization は最もとっつきやすいOSSコントリビューションチャンスだと思う。日本語・英語ともに多少の言語力が求められるものの高い技術力や対象プロジェクトのコンテキストへの深い理解が要求されることはあまりないからだ。
tip4commit は日本では全く話題にならなかったのだろうか、日本語対応がされていなかったので en.yml を見ながらガーッと翻訳を書きなぐって pull request を送ってみた。
これが27 days*2を経てようやくマージされ 0.00357757 Ƀ
がマイページの残高として現れた!!!
雑感
どこであったか忘れたが、OSSへのコントリビューションに報酬が必要だろうか?という提言を思い出した。記憶が曖昧だが、「OSSは善意で回ってるんや〜」的観念、内発的動機づけ至上主義の立場からすると報酬は常に支払うべきでないという意見だった。ロウソク問題よろしく報酬に目がくらんだ低質な pull request が大量に飛びかい、結果としてOSS総体が悪い方向に向かうという危惧もわかる*3。
このサイトの作者の真意は不明だが、上述のように報酬がバッドノウハウとして働くのを危惧するなら使わなければ良いし、選択機会を提供しているだけでも尊いと思う。報酬がなければ見向きもメンテナンスもされなかったプロジェクトが蘇るとか、OSSメンテナとしてコントリビュータに感謝ができるとか、そういう綺麗な話がもっと出てきて欲しい。