かつての自分と全く同じ気持ちを持った質問者によるurl - What is the etymology of 'slug'? - Stack Overflow('slug' の語源は?)が気に入ったので抄訳。
python - What is a "slug" in Django? - Stack Overflowよりも質問の仕方が良い。
ちなみに今の自分が「'slug' ってなに?」と聞かれて説明するなら「ヒューマンリーダブルな ID」あたりが妥当な回答だろうか。
Q: ‘slug’ の語源は?
‘slug’ は特筆すべき理由のない言葉なのか、それともやはり何らかの意味がある言葉なのでしょうか?あるとき私は会話の中でこの言葉を使用したのですが、「なぜ ‘slug’ って呼ばれているのか」と聞かれたときに私も意味を理解してないと気づきました。
もちろんそれがどのように使われているかは知っているのですが… http://codex.wordpress.org/Glossary#Slug
結局、この言葉の背景にはどんな意味があるのでしょうか?
A: 由来は新聞業界です
‘slug’ は、新聞業界から来ている言葉です。
これは、制作過程で記事に与えられる非公式の名前、つまりコードネームみたいなものです。記事が担当記者(もしくはそれ以前)から編集者を経て印刷機に至るまでの道のりでの呼び名です。例えば「'kate-and-william' の校正は終わった?」のように使われます。
一部のシステム(Djangoなど)では URL の一部として ‘slug’ を使って記事を特定します。 www.mysite.com/archives/kate-and-william
という具合です。
遡ると脚本の ‘slug lines’ に行き着くかもしれません。この ‘slug lines’ はシーンの背景、つまり、いつ誰がどこで〜などを表現するものです。後に続く文章を説明するものであるという点で ‘slug’ と似ています。
ライノタイプ*1においては、'slug' は個々の文字の形から作られた一本の線の金属を意味していました。1行ごとに単一の ‘slug’ を作ることによって、従来の1文字ごとに組み合わせを作るやり方が大幅に改善されたのです。
これは推測ですが、'slug' はもともとは(何かしらを押印しなければならないような)偽造されたコインのためのものだったのでしょう。言葉の使われ方が印刷用語に至り、そこから「1行の活字」、そして「記事の要約」へと変遷した様子を、私は容易に想像することができます。そうした印刷の世界からオンラインの世界へ移るのはこれまた実に簡単なことでしょう。
*1:ライノタイプは、キーボードを打鍵する事によって、活字母を並べてそれを鋳型とし、それに溶けた鉛を流し込んで、新聞などの印刷版型を作成する装置である。単語や空白から成る横一行を丸ごと活字にする事が出来る。かつては印刷所などにあった。ライノタイプという名称は、Line of type (一行の活字)を省略したものである。 quoted from ライノタイプ - Wikipedia