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関心を持てる事柄について

五反田団『五反田怪団 ザ・ベスト』@アトリエヘリコプター 観劇

アトリエヘリコプターにて五反田団の『五反田怪団 ザ・ベスト』を観劇。6/8(日)19:00~の回。

『五反田怪団』シリーズは毎夏に行われ、今年で10年目?になる人気シリーズであり、今回はこれまでの怪団の中でも選りすぐりの怪談を集めたザ・ベスト、とのこと。
僕自身が演劇を観始めたのは昨年からなのだが、五反田団は今回で3回目になる。毎度面白いので追いかけている。

どこまでが演技か

毎度見ていて凄いな、と思うのが「どこまでが演技でどこまでが素の振る舞いなのか」その境界線を観客に意識させないところ。
台詞を噛むことや言いよどみ、手を組み直したり髪に触れる行為。そうした言葉・振る舞いの中でもノイズに相当するものをあえて(?)セーブしないことでリアリティが増すし、それらを含めて劇として成立させているのはやはり計算だろうか。
このように身体のノイズで演技の境界をぼかす手法は全ての劇に有効だとは思わないが、今回の怪談やコメディにおいてはとても有用だと思う。

ユーモラスであることと笑わせることは違う

また、五反田団を観ていて思い出したのは町山智浩氏のこんな言葉。

ユーモラスに撮ることと笑わせることはまったく違う。ユーモラスな雰囲気に撮るだけではかえって寒くなるから、きちんとギャグを入れなきゃいけない

日本の監督はよくココを間違えるからダメだ~というような話。

邦画のダメさみたいなのはよく知らないので置いといて、確かに演劇においてもそういう勘違いや寒さみたいなのを感じることはあるし、それがあると自分と作品との距離が一気に開くのを感じ、冷めてしまう。
この観点で五反田団を観てみると、きちんとギャグを入れてきてくれるな~と思う。笑いどころに困ったまま白けることもなく、安心して笑える。こういうのがコメディだと思えるし、人にも薦めたくなる。


この演劇を観てなんとなく自分も怪談を語りたくなって、『ザ・ベスト』の中からいくつか拝借して友人に話ったら割りと盛り上がったのもあり、行って良かった。